今後、近い将来、日本の農業は大きな岐路にさしかかるものと考えられます。というのは、農業という大きな産業を担う働き手が高齢化の進展で不足すると考えられるからです。 これまで農業を家業としてきた家においても、事業承継の問題がクローズアップされています。つまり少子高齢化により、農業を継ぐ後継者が見つからないという大きな問題です。この結果、農業に従事する労働者が減少していき、農業を支える人材不足は深刻化することになるでしょう。 TPPという問題も重なり、農業自体の産業の構造改革が迫られることは必至です。従来の農業とは異なる形態で参入するチャンスも広がってくることも期待されます。つまり、新規に参入する会社にとってはビジネスチャンスが眠っているかもしれません。 |
農業法人、いわば農業を営むことを主に事業目的とする会社を設立するためには下記の2つの方法が考えられます。
・ 会社形態
会社の形態をとる法人形態で事業を運営する方法になります。この手法では、通常の事業会社と同様の会社組織で運営します。会社法で定められる株式会社、合名会社、合資会者、合同会社の4つの形態となります。
・ 農事組合法人
組合員の共同の利益を増進することを目的とした法人形態であり、農業協同組合法で規定される農事組合法人という形態で農業を行うこととなります。この農事組合法人では、農業に特化した法人であり、農業以外の事業や組織運営上、通常の法人で規定されたルールとは異なります。
さらに、事業形態ごとの分類のほか、農地を利用するか、利用しないかといった視点からわけることが可能です。
農地を活用して農業を経営するケースにおいては、いわゆる「農業生産法人」の条件を満たすことが求められ、上述の法人形態と農事組合法人形態のみが農業生産法人になることができます。
農業生産法人となるための必要な条件として、一般的には下記に掲げる次の4条件が考えられます。
@ 会社法人であること
下記の形態で、事業を運営することが求められます。
・ 農事組合法人
・ 持分会社(合名会社、合資会社、合同会社のいづれかであること)
・ 株式会社(公開会社でないという条件があること)
A 事業内容
事業内容に関する条件として、当該法人の主たる事業内容が農業としていることが求められます。つまり、農業以外の事業内容をメインとしているような事業会社が農業生産法人などとして農業参入することは困難となります。
B 法人の構成員
法人の構成品となる出資者について、各種の規制があり、細かい所定の要件が規定されています。
C 法人の役員
法人の役員(取締役、業務執行社員)について、所定の要件が規定されています。
上記以外にも各種の条件がありますのでご留意ください。